術後の話

左頬の再発部分切除&左顎のチタンプレート取出し手術成功。


・左頬の肉は大半が切除され、辛うじて肉片を残す形となる。
左頬は完全開放、左目の下は空洞になっていて骨に薄く張り付いた肉が丸見え。
左の鼻の穴はサイドに穴が開いているので穴に指突っ込むと、すぐに指の先端が空洞から顔を明日用になる。
左上顎はないので、空洞を覗き込めば口内も覗けるようになる。
左目を支えるものがなくなり、眼球がずれ落ち、視界がおかしくなるので常に閉じることとなる。
チタンプレートを取り除く際、左の鼓膜が破れ難聴になる。
てっとり早く説明するならば、顔に穴が開いていてスプラッターな木偶の坊に進化という事になる。


・顔に穴が開くと、どうなるか?
新たな通気口の誕生により吸気が抜けるようになる。→すすれなくなる、ストローが使えなくなる。流し込むことでしか飲む事が出来なくなる。
空気が抜けるので発声が困難になる。→左半分の歯抜けと相俟って言葉によるコミュニケーションは致命的になる。
上顎がないから口内筒抜け。→食物を取ると飲み込む際、口内に圧力を懸け喉の力で飲み込む流れの所、口内の圧迫が不完全な為頬の空洞から一度に飲みきれない食物が飛び出すようになる。


・もちろん、こんな状態では生活に支障をきたすので、専門医のY医師さすが慣れたもの予後の経過を見ながら再建手術が可能になるまで、
左頬の空洞へビニール袋にスポンジ詰めた詰め物を突っ込んで空気の抜け&食物の漏れ対策を伝授してくれる。
(術後、止血対策の為に詰め込んでいたガーゼの塊の方が密閉率が高いので、従来の発音能力や食物を飲み込む力は高まるのだが、
ガーゼでは体液を吸収しすぎてしまい時間の経過とともに不衛生になり感染症や再発の温床となりかねない。退院後、患者本人による定期的メンテナンスが困難な為、スポンジを詰めたビニール袋が適している。)

このスポンジ袋により若干だが発音能力は上がったが、両親は聞き取り不可能になり要筆談、嫁さんは辛うじて聞き取ってくれるので何とか拙い会話が可能。子供に至っては理解できる語彙が少なく文字の読み書きがまだ出来ないので嫁さん通訳を通しての会話となる。(両親とのコミュニケーション不全もつらいけど、子供とコミュニケーション取れないのは本当につらい。判り難い発音を聞き取って理解してくれようとしてくれる嫁さんには本当に感謝。)


・実はこの癌切除&チタンプレート摘出手術の2週間程前に、初めての左頬再建手術時、気道確保の為に開けた喉元の通気口を覆っていたカサブタがアクビを噛み殺したら勢いよく飛び出し再度穴が開いたので追加オーダーで縫い合わせをお願いしました。(第1回再建手術時、放射線治療の副作用により口がギリ親指1本分開くかどうかだった為、通常喉に突っ込む通気のカテーテルが入らない為、喉元に穴を開けてカテーテルを通して手術、通常2〜3週間程で肉と皮が覆って傷口が塞がるそうだが、自分の場合傷口が塞がらず大きなカサブタが傷口が覆って塞がったものと錯覚していた。)


これらの手術を行い傷口が落ち着けば4月中に退院できるだろうという事で様子見に入る。


PCの調子が悪いので続く。