麻薬はじめました

前回、がん研で残酷な告知をされ、自分の中でどうしても納得がいかず、
9月初旬にたまたまテレビで最新のサイバーナイフを導入した病院が取り上げられていたのを思い出し、
そこで検査を早めることは出来ないか、上顎全摘無しで治療させることは出来ないか、
生存率を高めることは出来ないかと、ダメ元でセカンドオピニオンを受けてみる。


すると、そこの病院が出来たばかりの病院だったので、
悪く言えば患者が少なく、すぐにでも検査(それもがん研よりも最新のPET検査)が行え、
がんの大きさ・転移状況が特定できれば次週にでもサイバーナイフ治療を始められるとの事。
がんの自覚症状が日に日に酷かっただけに、これ幸いと治療を受けようかと思ったのだが、
親にサイバーナイフ治療に関して何の相談もしていない、
依然としてがん研の検査や今後の方針の話などもあり、
とある新興の病院の先生に状況を説明すると、がん研と関係が悪化するのも問題だから
とりあえずがん研の先生に新興の病院ではすぐにでも治療に入れるが、
がん研では治療スケジュールを早めることは出来ないか?上顎全摘は必須か?
サイバーナイフ治療も選択肢に入れていると相談してみてはどうかと言われ、
10月2日がん研に説明する。


がん研では、治療スケジュールはこれでも早い方(10月2日時点でがん研での検査は予定の半分しか終了していないが、新興の病院では10月1日にPET検査で即日結果が出せて、おおまかながん組織の大きさ、転移状況は確認済み)、放射線治療抗がん剤でがんが小さくなったとしても再発・転移の脅威を取り除く為上顎全摘は必須、サイバーナイフはがん研の推奨する標準治療が行えない、
もしくは標準治療で手に負えなくなった患者が行き着く最終的な治療で、最初からサイバーナイフを選択するのは邪道であり、サイバーナイフで完治に至らなかった場合、外科的手術や再建手術を行ってくれる病院なんてあるのかい?と、あきらかにサイバーナイフを敵視した説明をされ、
親がビビる。


新興の病院の先生にがん研での経緯を話すと、
淡々と受付順で検査を進め患者の病状を悪化させるがん研の対応に呆れ果て、
サイバーナイフ治療を薦められるが、親がサイバーナイフを受けてしまうと、その後の面倒を見てくれる病院が無いのではないかとビビり、どうしても踏ん切りがつかない。


この親の煮え切れない対応に放射線治療科の先生から、
がん治療を行う際、抗がん剤や外科的手術を受け持ってもらう耳鼻科の先生にがん研での対応、
サイバーナイフ治療の有用性、今後の方針はどうするのが吉か、意見を聞いてみるといいと言われ
相談してみると、
がん研での対応は遅すぎると同調してくれたのだが、外科的手術の腕前・症例数はがん研に勝るところは無いので、無碍に関係を切るべきではない、サイバーナイフで完治に至るとは考えられない、がん研で標準治療を受けてダメだった時にサイバーナイフという最後の選択肢を取っておいてもいいのではないかと、これまた同じ病院でベクトルの違った意見が返ってくる。


結果、再度がん研に行き、放射線治療サイバーナイフにして、その後の経過をみて必要であれば抗がん剤・外科的手術・再建をがん研で受けられないものか相談してみたほうがいいと言われ、ここでまた無為に時間が過ぎていく。


新興の病院の耳鼻科先生の新書を持ちがん研に行くと、
がん研での標準治療は最速であり最適、サイバーナイフに患者を振ることはあってもサイバーナイフ治療後の患者なんか診た事無いから何も出来ないと話は平行線に至り、
この頃には誰が見ても自分の顔の変形が顕著に現れていた為、親もがん研の治療を待っていては息子が死んでしまうと判断し、がん研に別れを告げ、今週からサイバーナイフ治療を始める。


いやぁ〜、やっぱりがん研はあり得ないよ。
旧態依然とした検査方法で症状を悪化させた挙句、周りの怪しげな患部をごっそり全摘するからモーマンターイとか、メンタルな部分も大事ながん治療でいきなり死を覚悟しろとか、
あそこ狂ってるって。
がん研で全ての検査を終えて治療に移れるの11月初旬だったんだもん、
素直に待っていたら、たぶん痛みと鼻から出てくる鼻水状の膿で、かなり精神的にも追い込まれていたよ。


今回、新興の病院のサイバーナイフ治療をたまたま知ることが出来、
そこのサイバーナイフ機器はたまたま日本で最新のものが導入されていて、
放射線治療科の先生はたまたま放射線治療の権威で、
たまたま病院が出来て日が浅かったので患者が少なく検査・治療がすぐに始められる、
これだけの好条件が揃っていて、この運気の波に乗らないなんてもったいないよね。


今は、サイバーナイフ治療と麻薬系鎮痛剤・耳鼻科先生の処方した抗がん剤で、
食欲減退や微熱・常に眠気が続いて体調ガタガタだけど、これはがんからの生還に必要なプロセスだと
信じてがんばろう。


でもね、がん研と新興の病院どちらを選ぶか最大の決め手は、
まだ、大丈夫。治せる。』
進行が早いようだから、治療を急いだほうがいい。
子供が産まれたばかりなんだから、ここで人生あきらめちゃダメだよ。
と、欲しかった返事を新興の病院で聞けた事が一番大きいよ。


無駄に時間だけかけて、症状を悪化させていくくせに、『死』を意識しておけって、
淡々と説明する医者に命は預けられないわ。
さらば、がん研!!